This article is for an older version of CCC. You can find the latest version here.
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AppleはmacOS High Sierraで新しいファイルシステムを導入しました。そこで当然のこととして、Carbon Copy Clonerがこれをどのように扱い、この新しい変更がバックアップにどのような影響をもたらすのか心配されていることでしょう。“ファイルシステムとは何か?”という疑問もあるかもしれませんので、そこから始めましょう。そして徐々により技術的な詳細に移りましょう。

ファイルシステムとは何ですか?

ファイルシステムはMacのソフトウェアでおそらく最も重要な部分でしょう。また、最も明らかな箇所の1つと言えます。少なくとも正しく動作しているかどうかという点において。すべてのユーザとすべてのアプリケーションはファイルシステムを使用します。ファイルシステムはハードドライブのファイルのすべての記録を保ち、整理します。また、どのユーザとアプリケーションがそれらのファイルにアクセスできるかを判断します。ファイルシステムはファイル数とそれらのファイルが消費している容量も記録しています。ファイルを検索、ファイルを開く、ファイルを移動する、ファイルを保存する、ファイルを削除する、そのたびに、そのアクションを実行しているのがファイルシステムです。

どうしてAppleは新しいファイルシステムを導入したのですか?

Appleのレガシーファイルシステム、HFS+は、約20年間うまく動作してきました。そして、Apple はその間一貫して改良を続けてきました。例えば、Appleは拡張属性、ファイルシステムの圧縮、ファイルシステムのジャーナリング、およびフルディスク暗号化のサポートを追加しました。これらすべての新しい機能は、新しいオペレーティングシステムの機能と歩調を合わせ、ファイルシステムの信頼度を上げるために追加されました。しかし、そのファイルシステムは当初Mac OS 8のために作成され、プラターベースの ハードドライブのためにデザインされました。ストレージの技術は過去20年で大きく様変わりし、HFS+を修正することでそれらの変更についていくことはますます困難になりました。新しいOSと新しいストレージ技術のチャレンジを満たすために、AppleはApple File System、つまり“APFS”をHigh Sierraで導入しました。

使っているMacをHigh Sierra (またはそれ以降) にアップグレードすると、自分の起動ディスクはAPFSに変換されますか?

macOS High Sierraにアップグレードすると、すべてのフラッシュストレージ設定のあるシステムは自動的に変換されます。ハードディスクドライブ (HDD) のあるシステムとFusion Driveは、macOS High SierraではAPFSに変換されません。Mojaveにアップグレードする際、HDDとFusionボリュームも APFSに変換されます。APFSへの移行から逃れることはできません

HDDで最初にHigh Sierraにアップグレードして、その後SSDにクローンした場合、SSDはAPFSに変換されますか?

macOS High SierraまたはMojaveを実行している場合、HDDまたはSSDのどちらも自動的にAPFSに変換されません。しかし、SSDにクローンする前にSSDをAPFSとして消去することを選択できます。High SierraおよびMojaveでCarbon Copy Cloner 5を使用する場合、APFSもHFSもどちらも有効なコピー先フォーマットです。macOS Catalinaのシステムボリュームのバックアップを作成する場合、 CCCはコピー先ボリュームをHFS+からAPFSに自動的に変換します。但し、ユーザからの明示的な承認が与えられている場合に限ります。

OSのアップグレードが私の起動ディスクをAPFSに変換した場合、私のバックアップディスクに何かする必要がありますか?APFSとして消去する必要がありますか?

macOS High SierraまたはMojaveにアップグレード後バックアップディスクに何もする必要はありません (そしてまた、macOS Catalinaでも、CCCはコピー先を自動的にAPFSに変換するので、コピー先ボリュームに何もする必要はありません)。APFSフォーマットされたHigh SierraまたはMojaveの起動ボリュームのHFS+バックアップを持つことは差し支えありません。それは将来の復元で、APFSフォーマットされたボリュームにさえも問題なく機能します。バックアップディスクがSSDの場合、またはコピー先の消去を計画している場合は、APFSとして消去することを強くお勧めします。

Mojaveを実行しています。HDDコピー先をAPFSとして消去することは可能ですか?コピー先でAPFSを使用する利点はありますか?

コピー先ボリュームをいずれにせよ消去するつもりであれば、そのボリュームをAPFSとしてフォーマットすることをお勧めします。回転式ディスクのAPFSの列挙パフォーマンスは、同じハードウェア上のHFS+よりもまだ圧倒的に劣っていますが、その一方でHFS+よりもAPFSを選択する利点がいくつかあります。例えば、APFSコピー先はその時点 (point-in-time) の復元を可能にするスナップショットを保管することができます。また、APFSボリュームは スパースファイルをサポートするので、APFSフォーマットされたボリュームにバックアップする際、名前の比較の問題 (例えば、ソースのAPFSボリュームのファイルに“é”のようなUnicode文字が含まれている場合) に遭遇する可能性が少なくなります。また、HFS+ 暗号化されたボリュームからT2 Macを起動することはできません。ですから、T2 Macを使用していて、バックアップの暗号化が必要な場合、APFSを使用する必要があります。

CCCを使ってAPFS起動ディスクを別のMacにクローンできますか?

macOSのアップグレードをインストールすると、お使いのMacにmacOSインストーラがファームウェアのアップグレードを適用します 。このファームウェアアップグレードはクローンのプロセスの一部にはなれません。macOSインストーラのみがMacintoshをアップグレードして、APFSをサポートできます。まだmacOSインストーラからファームウェアアップグレードを受け取っていないMacintoshにAPFSボリュームをクローンしようと試みても、そのMacintoshはAPFSボリュームから起動することはできません。MacがmacOSインストーラからファームウェアアップグレードを受け取ると、MacはCCCの起動可能なバックアップからAPFSに起動できるようになります。しかし、macOSのメジャーアップグレードはすべて、新しいオペレーティングシステムの使用を許可するために新しいファームウェアアップグレードを必要とする可能性がありますので、注意してください。

また、これはターゲットディスクモードを実行中のMacintoshにも適用されますので、注意してください。インストーラを使って1台のMacをHigh Sierra (またはそれ以降) にアップグレードすると、2台目のMacをターゲットディスクモードに起動できません。2台目を最初のものに接続してから、High Sierra (またはそれ以降) をターゲットディスクモードでMacにクローンしてください。必要なファームウェアアップグレードはターゲットディスクモードで起動されたMacには適用できません。macOSインストーラを2台目のMacで実行する必要があります。2台目のMacがmacOSインストーラを経由してファームウェアアップグレードを受け取ると、最初のMacをターゲットディスクモードで起動されている2台目のMacにクローンできます。

CCCは暗号化されたAPFSボリュームをサポートしますか?

はい、CCC 5は暗号化されたAPFSボリューム (別名:FileVault暗号化) とクローンできます。但し、CCCは暗号化の処理には一切関与しませんので注意してください。暗号化はボリュームの機能で、ファイルを書き込むツールの機能ではありません。起動ディスクでFileVaultを有効にしている場合、起動ディスクのファイルは暗号化されます。それらのファイルは、アプリケーションによって開かれた際に、ファイルシステムによりその場で暗号化されます。同様に、FileVaultをコピー先ボリュームで有効にしている場合 (例えば、バックアップから起動中、環境設定のセキュリティパネルを経由して)、コピー先のファイルは暗号化されます。CCCはそれらのファイルを暗号化する必要はありません。ディスクに書き込まれていく時にファイルシステムによってその場で暗号化されます。

APFSには“クローン”機能があると聞きました。それはCCCがしていることと同じですか?

いいえ。APFSのクローン機能はCCCが実行するクローンとはまったく無関係です。

APFSのクローンは、余分な空き領域を消費することなく、同じボリュームに ファイルのコピーを即座に作成します。ファイルをクローンする際、ファイルシステムはデータのコピーを作成しません。むしろ、そのファイルに最初のファイルから独立して修正できる第2のリファレンスを作成します。この2つのファイルは、同一のまま残るファイルの一部のディスクで領域を共有します。しかし、どちらかのファイルに加えられた変更内容はディスクの異なる部分に書き込まれます。APFSのファイルのクローンはファイルのコピーを同じボリュームに作成する時のみ動作します (例えば、Finderでファイルまたはフォルダを複製する場合)。一般的にCCCはボリューム 間で ファイルをコピーしますので、APFSのクローンはその種のタスクには適用されません。

覚えておくべき重要な点は、APFSのファイルクローンは起動ディスクの領域を節約できるということです。一方、CCCのクローンはソースディスクに問題が起きた場合にデータを保存して置けるということです。これらはまったく異なる目的を果たしています。APFSのファイルクローンはバックアップを作成するということとはまったく関係がありません。

バックアップディスクのディスク使用状況がソースディスクのディスク使用状況と一致しないのはなぜですか?

CCCのグローバル除外 はSafetyNet機能と同様に、 過去のディスクの使用状況においてこれまで正当な違いをもたらしてきました。しかし、前述のAPFSのファイルクローン機能は、この懸念に新しい側面を追加しました。APFSのファイルクローン機能がソースボリュームで領域を節約する一方で、これらの領域節約はファイルを別のボリュームにコピーする際に必ずしも適用できないことがあります (というのはApple は1つのファイルが別のファイルのクローンであるかどうかを私たちが判断するための手段を提供しないからです)。さらに悪いことには、Finderはファイルのディスク使用状況を正確に表示しません。Finderは1つのファイルが別のファイルのクローンであるかどうかを考慮に入れません (繰り返しますが、Appleはこの判断をする方法を提供しないからです)。ですから、Finderはそれぞれのファイルとフォルダの合計サイズを計算し、ディスクの容量よりもはるかに高い合計値を表示します。

MacのディスクをAPFSに変換した場合、ソースとコピー先のディスク使用量は決して合計されないので、ソースとコピー先を比較するための信頼できる測りにはならないということを理解してください。

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