macOS Big Sur (11.0)以降、システムは暗号で封印された "署名付きのシステムボリューム"にあります。その封印はAppleだけが適用でき、システムボリュームの通常のコピーはAppleのシールがないと起動可能にはなりません。macOS 11のシステムボリュームの機能するコピーを作成するには、Appleのツールを使用してシステムをコピーするか、またはバックアップにmacOSをインストールする必要があります。お使いのMacの起動ディスクの初期の起動可能なバックアップを確立するために、CCCは独自のファイルコピー機能を使用できません。Big Surの起動ボリュームのクローンを作成するためのバックアップタスクをCCCに設定すると、CCCはAppleのAPFSレプリケータ (“ASR”)を使って、初期クローンを作成します。以降のバックアップでは、CCCは独自のファイルコピー機能を使い、MacのDataボリュームから異なる内容のみをコピーします。
最初のバックアップタスクを設定する際に予測しておくべきこと
APFSボリュームグループ (例: macOS Big Surの起動ディスク) をタスクのソースとして選択し、コピー先がすでに確立されたBig Surボリュームでない場合、CCCは選択中のコピー先の設定内容に応じて、タスクをどのように続けるか、いくつかオプションを提示します。推奨するのは、1つのボリュームをバックアップタスク専用にしておくことです。というのは、そのボリュームはいずれ起動可能なバックアップを確立するために消去される必要が出てくるからです。
コピー先を消去
このオプションを選択すると、CCCはAppleのAPFSレプリケータを使って、選択中のソースを選択中のコピー先にクローンするようタスクを設定します。タスクを開始すると、コピー先は即座に消去されます。SafetyNetはこの設定には適用されません。ですから、空のボリューム、または、削除されても大丈夫なデータが入っているボリューム (例: 古いバックアップ) が選択されていることを、必ず確認してください。
ボリュームを追加
選択中のコピー先がAPFSフォーマットされたボリュームで、かつ、そのボリュームのコンテナがソースボリュームの完全なバックアップを収容するのに十分な容量がある場合、CCCはコピー先のAPFSコンテナにボリュームを追加するオプションを提供します。このオプションを選択すると、選択中のコピー先は消去されません。代わりに、CCCはコピー先に新しいボリュームを追加して、その新しいボリュームをソースの専用バックアップとして使用します。
データのみのバックアップ
選択中のソースの起動可能なバックアップを作成できない、または作成する必要がない、かつ同時に選択中のコピー先を消去したくない場合は、データのみのオプションを選択できます。このオプションを選択すると、CCCは選択中のソースのデータボリュームをタスクのソースとして選択し、選択中のコピー先は消去しません。このオプションは、既存の暗号化されたバックアップボリュームがあり、それを消去や暗号化しないで使い続けたい場合、便利です。データのみのバックアップは起動可能ではありませんが、これらのバックアップを“移行アシスタント”にソースとして使用することができます(例: データをmacOSのフレッシュなインストールに移行する)。
macOSの外部起動デバイスに頼る前に知っておくべきこと
このプロシージャはApple独占のAPFS複製ユーティリティに頼っているので、弊社の開発でコントロールできる範囲ではありません。この機能に関するフィードバックを歓迎します。しかし、Appleの複製ユーティリティが遭遇した問題については詳細なトラブルシューティングを提供することはできません。
- コピー先が起動可能かどうかは、お使いのMac、macOS、およびコピー先デバイスの互換性によって異なります。コピー先デバイスの起動性に関するトラブルシューティングは、弊社の知識ベース記事、外部起動のトラブルシューティングで紹介している提案以上のことを提供することはできません。
- OSアップデートをソースに適用した後、バックアップにデータをアップデートする場合、コピー先は起動可能なままでない可能性があります。
- Appleの複製ユーティリティは、AppleシリコンMacの内部ストレージにクローン中、カーネルパニックを引き起こす可能性があります。そうなると、バックアップからMacのシステムを復元できないことにつながる可能性があります。(注意:Appleはこの問題をmacOS Montereyで解決しましたが、Big Surではまだ継続しています)
- AppleシリコンMacは内部ストレージに問題があると全く起動しません。起動可能な外部デバイスは、このシナリオではレスキューディスクとして機能しません。
上記の理由で、バックアップを起動可能にする試みは一般的に推奨しません。代わりに、“標準バックアップ”を使うことをお勧めします。お手持ちのすべての書類、互換性のあるアプリケーション、および設定を、CCCの標準バックアップから復元できます。起動可能なデバイスの確立および維持に関わる特別な努力をする必要はありません。
よくある質問
タスクの実行が始まると、コピー先がソースと同じ名前に変更されました。そして、この“ASRDataVolume”ボリュームとは何ですか?
非常に鋭い方なら、Appleのボリュームレプリケータが動作し始めると、コピー先ボリュームの名前が変わることに気がついていることでしょう。CCCのサイドバーにも追加のボリュームが表示されているかもしれません。これは正常なことです。これらのボリュームは“ボリュームグループ”に集約され、1つのボリュームとして表示されるので、複製が完了すると、CCCはコピー先を元の名前に変更します。
AppleのAPFS複製ユーティリティが失敗し、ASRDataVolume、または ASRNewVolumeが持続されているのを確認した場合、ディスクユーティリティでそれらの痕跡のあるボリュームを削除できます。単純にそれらのボリュームを選択してから、ツールバーの "-" ボタンをクリックしてください。
起動可能なバックアップを作成するには、コピー先を消去する必要がありますか?
お使いのMacがBig Surを実行しているなら、答えは「はい」です。macOS Big Surの時点では、APFSボリュームグループの起動可能なクローンを確立するために、AppleのAPFSレプリケータを使用することが要求されています。SafetyNet機能を利用できないので、バックアップボリュームに他のデータを保管しておくことは適切ではなくなりました。ボリュームを起動可能なバックアップ専用にしておく必要があります。一旦起動可能なバックアップが確立されると、その後CCCは独自のファイルコピー機能を使って、その後のバックアップタスクでコピー先のDataボリュームをアップデートします。
自分のバックアップディスクを他の目的のためにも使用できますか?
はい。APFSボリュームをコピー先のAPFSコンテナに追加して、その新しいボリュームをCCCの専用バックアップに使用するか、または他のコンテンツのために使用することを推奨します。CCCのバックアップとその他のコンテンツが別のボリュームに保管されている限り、これらは同じ物理的デバイスで平和に共存できます。同様に、コピー先がAPFSフォーマットでなければ、パーティションをバックアップディスクに追加することもできます。例えば、HFS+フォーマットされたボリュームにすでにコンテンツが存在する外部ハードドライブを利用している場合、ディスクにパーティションを追加して、その新しいパーティションをCCCのバックアップに使用できます。
初期のバックアップからコンテンツの一部を除外できますか?
お使いのMacがBig Surを実行している場合は、コンテンツを除外して起動可能なバックアップを作成することは不可能です。初期のバックアップからコンテンツを除外する必要がある場合は、 データのみのバックアップを続けることを推奨します。その後そのバックアップを起動可能にしたい場合は、macOSをバックアップボリュームにインストールしてください。
関連ドキュメント
私のバックアップディスクにはすでに他のボリュームがあります。それらは消去されますか?
いいえ。“{destination}を消去"のオプションを使って続けると、選択中のコピー先 ボリュームのみが消去されます。物理的に同じデバイスにある他のボリュームが影響を受けることはありません。ですが、他のどこにもバックアップされていないデータがあるディスクにバックアップをすることは絶対に推奨しません。それら他のボリュームがまだバックアップされていないのであれば、先に進む前にそのデータをバックアップしてください。
ボリュームを追加しましたが、その追加のボリュームが結局必要なくなりました。削除できますか?
はい。CCCの“ユーティリティ”メニューから ディスクユーティリティ を選択し、削除したいボリュームを選択してください。次に、ツールバーの“–”ボタンを押してそのボリュームを削除してください。
暗号化されたボリュームにクローンできますか?
暗号化されたボリュームをコピー先として選択してもかまいませんが、そのボリュームはいずれ消去され、また、タスクが完了する時点で暗号化されていません。AppleのAPFS複製ユーティリティは、FileVaultをクローンされたボリュームでプリエンプティブに有効にすることはありません。コピー先でFileVaultを有効にするには、バックアップボリュームから起動し、環境設定の“セキュリティとプライバシー”でFileVaultを有効にしてください。